今夏の東京五輪・パラリンピックをめぐり、海外からの一般客受け入れ断念が20日、決まった。「残念」「楽しみが減った」。来日外国人との交流や、インバウンド(訪日外国人旅行者)需要を心待ちにしていたボランティアや土産物店の間に落胆が広がった。一方、「海外客に紛れ込んでテロリストが入国するリスクが減る」と安堵(あんど)する治安当局者もいた。
 「人生最大の楽しみと思っていたのに」と残念がったのは埼玉県朝霞市の都市ボランティア、吉田時彦さん(65)。外国人に日本の魅力を伝えることを夢見て、英語の勉強を続けてきたという。「世界の人が集まり、文化交流することが五輪の大きな意義。アスリートだけの大会ではない」と強調。「目標がなくなった。このままボランティアを続けなくてもいいかな」と寂しげにつぶやいた。
 東京・浅草の外国人向け土産物店の男性店員(35)は「『残念』という言葉しか出てこない」と落胆した。新型コロナウイルスの影響で訪日客は激減し、増やした支店は休業中。五輪グッズなどの在庫も積み上がる。「インバウンドを増やすという政府の方針を信じていたが、『約束が違う』という思い。商売抜きでも大イベントの盛り上がりを感じたかった」と恨み節を漏らすとともに、「人数を減らしてでも海外の人に日本を見てもらえないか」と要望した。
 治安対策に神経をとがらせる警察関係者は「海外からのサイバーテロは引き続き脅威だ」と気を引き締める一方で、「国外からテロリストが入ってくるリスクが減れば安心」と本音も漏らした。 (C)時事通信社