新型コロナウイルス禍で苦しむ開発途上国への財政支援をめぐって、先進7カ国(G7)が中国への警戒を強めている。新たな資金支援策を講じても、アフリカ諸国などに巨額の貸し付けを行っている中国への債務返済に充てられるリスクもあり、支援が効果を発揮しない懸念があるからだ。G7は中国に対するけん制を強めている。
 19日に開かれたオンライン方式のG7財務相会議では、国際通貨基金(IMF)が持つ資産「特別引き出し権(SDR)」を途上国を含めた加盟国に配分するに当たり、使途に関する透明性向上と説明責任強化のための具体策を講じる方向性で一致した。今後、IMFが具体策の検討を進める。
 SDRは、加盟国で資金が必要になった場合、ドルやユーロなどの外貨を受け取ることができる権利。コロナ禍で財政難に陥った途上国に配分することで、これらの国は外貨を確保して財務基盤の強化に充てることができる。
 ただ、G7の懸念材料が中国の対応だ。途上国支援をめぐっては、日米欧や中国など20カ国・地域(G20)がこれまでに、途上国が抱える対外債務の返済を一時猶予することで合意している。しかし、中国は自国の政府系金融機関を「民間銀行」と位置付け、途上国への貸付金額などの情報を開示していない。この状況で途上国にSDRを配分して財政支援を行っても、中国への債務返済に流用され、途上国の財務基盤強化にはつながらない恐れがある。
 麻生太郎財務相は会議後に記者団の取材に応じ、返済猶予などの取り組みには「中国を含む全ての関係者の参加を確保することが必要だ」と改めてくぎを刺したが、中国がどこまで応じるかは不透明だ。 (C)時事通信社