ルネサスエレクトロニクス那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災により、車載用半導体の供給不足が一段と深刻化するのは避けられない。相次ぐサプライチェーン(供給網)の混乱により、新型コロナウイルスで減産を強いられた自動車生産の本格回復は一段と遅れそうだ。
 半導体は走行制御などに欠かせない重要な自動車部品だ。ルネサスは車載用半導体で国内トップシェアを誇る。
 同社の柴田英利社長は21日のオンライン記者会見で、取引先である自動車業界への打撃について「大変大きな影響となる」と語った。自動車メーカーなどは応援要員を派遣し、早期復旧に協力を惜しまない構えだ。
 このところサプライチェーンを揺るがす事態が頻発している。デジタル化の進展で需給が逼迫(ひっぱく)した半導体の不足で1月以降、自動車メーカーは生産調整を実施。2月には、福島県沖地震による部品大手の被災もあり、トヨタ自動車や日産自動車の工場が操業を一時停止した。今月は米国の寒波の影響で半導体以外の部品供給も停滞し、日系メーカーの北米工場が止まった。
 自動車大手は2月上旬時点で、半導体不足の影響はおおむね5~6月には収まるとの見通しを立てていた。だがルネサスの工場火災など想定外の事態が相次いだことで、大手自動車メーカーの関係者は「生産の本格回復は遠のいた」と話している。 (C)時事通信社