新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が全国で解除された。桜のつぼみがほころぶ中、多くの自治体が「見るだけにして」と宴会を伴う花見の自粛を求める。一方、桜効果で売り上げ増を狙おうと、時間短縮要請に従わず営業する飲食店もあった。
 感染拡大前は約300万人の花見客が訪れた上野公園(東京都台東区)は昨年に続き、レジャーシートを敷いた宴会をしないよう求めた。昨年封鎖した桜並木については、片側通行で開放。歩きながらの花見は可とした。都の担当者は「来園の際にはマスクや手指消毒など予防策を取ってほしい」とする。
 知事が「お花見はぜひやって」と発言し話題を呼んだ山梨県では、桜の名所として知られる大法師公園(富士川町)で25日から「さくら祭り」が行われる。会場内には出店も並ぶが、シート上での宴会や食べながらの花見ではなく、感染対策を施した飲食専用スペースを利用するよう呼び掛けるという。担当者は「外出が難しい日が続くが、桜でリフレッシュしてもらいたい」と話す。
 一方、花見時期に再起を目指す飲食店も。約4キロにわたり、800本もの桜が連なる目黒川に面した東京都目黒区の肉料理店はシーズンを前に、都の時短要請に反して午後11時まで営業することを決めた。
 花見自粛を呼び掛ける同区は、川沿いの飲食店に対し、花見客向けの店頭販売を控えるよう申し入れたが、男性店長(33)は「稼ぎの方が大事だから、これにも従わない」と断言。既に平年並みの予約が入りつつあり「アルバイトなどを15人ほど増やした」と意気込む。「花見で何とか持ち直したいので客が来る限りやる」。男性は悪びれず言い切った。 (C)時事通信社