政府は新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を22日午前0時で全面解除したことを受け、リバウンド(感染再拡大)防止に全力を挙げる。宮城県などで感染急増の兆しがあり、警戒を強化。特別措置法の改正により、宣言に準じた対策が可能になった「まん延防止等重点措置」を初適用するかが焦点で、専門家の意見も踏まえて判断する。
 政府が特に危機感を強めるのが、3月に入って感染者が急増する宮城県だ。加藤勝信官房長官は22日の記者会見で、「直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は約27人、病床使用率も20%を超え、仙台市を中心に感染が拡大している」と説明。県と連携して対策を講じる方針を示した。
 直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、政府が感染状況の目安とする指標の一つ。「25人以上」となれば、4段階のうち最も深刻な「ステージ4」に相当する。政府関係者は「典型的な繁華街クラスター。手を打たないと危ない」と指摘。宮城県は25日から仙台市全域で酒類を提供する飲食店などを対象に、午後9時までの営業時間短縮を要請する。
 宣言を3週間前に解除した関西圏や、解除したばかりの東京都などでも感染者が増加傾向にある。政府は無症状者を対象としたモニタリング検査を拡大し、感染急増を食い止めたい考えだ。
 感染者増が著しい地域には、まん延防止等重点措置の適用も視野に入れる。都道府県単位で発令する緊急事態宣言と異なり、市町村単位など地域を絞った対応が可能になる。時短要請に従わない飲食店などに命令を出し、違反事業者には20万円以下の過料を科すこともできる。
 適用する場合、専門家でつくる基本的対処方針等諮問委員会の議論を踏まえ、対策本部で決定する。ただ、明確な発動基準はなく、緊急事態宣言下でも実際に時短命令を出したのは東京都だけだった。自治体の首長が強制力を持って私権を制限するのは容易ではないことを示した格好だ。
 一定の条件を満たせば自動的にコロナ対策を強める「サーキットブレーカー」の導入も検討課題となる。専門家が新設を提唱し、近く政府分科会で議論に入る見通し。サーキットブレーカーは株式市場などで価格が急変動した際、相場安定のため取引を一時中断する措置。これに倣い、感染悪化の度合いに応じて自動的に時短要請を行うことなどが想定される。ただ、政治判断を縛ることになるため、政府は導入に慎重だ。 (C)時事通信社