21日投開票の千葉県知事選で自民党の推薦候補が約100万票差の惨敗を喫し、党内に衝撃が広がった。菅政権の新型コロナウイルス対応の遅れや総務省幹部接待問題などが影響したとみられる。同党は地方選挙で苦戦するケースが続いており、秋までに行われる衆院選を前に懸念を強めている。
 菅義偉首相は22日、党本部で二階俊博幹事長、山口泰明選対委員長と相次いで会談。知事選の結果を踏まえ、衆院選情勢などについて意見交換したもようだ。二階氏は党役員会後の記者会見で知事選に関し、「国政選挙は国政選挙だ。別にショックを受けているわけではない」と強調した。
 知事選では立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などの県組織が支援した熊谷俊人前千葉市長が140万票超を得て当選。自民党推薦の前県議は、同党と自主投票の公明党のそれぞれ一部国会議員が熊谷陣営に回ったことも響き、3分の1にも満たない38万票余りにとどまった。
 両候補の得票を詳細にみると、深刻さが浮き彫りになる。自民は南・東地域で強い地盤を誇ってきたが、知事選では県内54市町村の全てで熊谷氏に後れを取った。自民党は1月の山形県知事選でも推薦候補が大敗し、北九州市議選では現職22人中6人が落選している。
 千葉県知事選の敗因について、党幹部は県連の候補者選定が迷走して一枚岩になれなかったことや熊谷氏の知名度を挙げた。県連幹部は「有権者はコロナ対策にしか関心がない。行政経験がある熊谷氏に有利に働いた」と語った。
 党内からは厳しい声が相次いだ。参院幹部は「早期解散論なんて吹き飛ぶ衝撃度」と指摘。閣僚経験者は接待問題などで政権に厳しい目が広がっているとし、4月25日投開票の参院長野選挙区補欠選挙と参院広島選挙区再選挙、7月4日の東京都議選の結果次第で「『首相では衆院選を戦えない』との声が噴出する」と予測した。
 一方、立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者団に「自民党(政権)のコロナ対応、不祥事続きの状況が3倍強の結果に結び付いた」と分析。党幹部は「われわれに勢いが出る」と述べ、中堅は「菅首相のうちに衆院選を戦いたい」と漏らした。 (C)時事通信社