【ロンドン時事】英政府が新型コロナウイルス感染の深刻化を受け、最初のロックダウン(都市封鎖)を敷いてから23日で1年。各メディアでは、死者12万6000人以上と欧州最悪の事態を招いたジョンソン政権のコロナ対応の拙劣さをあぶり出す報道が相次ぎ、科学者や遺族らからは、政府の対策の問題点を検証する公的独立調査を求める声が上がっている。
 ジョンソン首相は昨年3月23日、テレビ演説で「家に居よう」と呼び掛け、全国的な封鎖を発表した。感染状況は日増しに悪化し、外出規制は夏まで継続。一時的な緩和を経て昨年11月に再封鎖となり、今年1月にも3度目となる広範囲な封鎖が導入された。ワクチン接種の進展に伴う状況改善を受け、政府は今月初めから段階的に規制を緩和し始めた。
 デーリー・テレグラフ紙は今月半ば、「封鎖1年」と題する検証記事を掲載し、最初の封鎖前後の政権内の動きを詳述。世界で5番目に多い死者を出した「10の理由」として、初動の遅れや検査体制の整備不足、社会格差などを挙げ、今後の危機対応にどう生かすかを議論した。デーリー・ミラー紙も同様の検証記事で「規制とルール導入が遅過ぎ、多くの命が失われた」と断罪した。
 ガーディアン紙は、経済への影響を最小限に抑えるため、「早期に行動を起こす」ことが重要だとする元政府専門家会議委員のニール・ファーガソン教授の見解を紹介。さらに「同様の問題に再び襲われる可能性は排除できず、教訓を学ばないのは犯罪だ」と指摘する専門家のコメントも掲載し、公的独立調査の実施を求める「圧力が増している」と伝えた。
 首相は「今は適切な時期ではない」と拒否しているが、国民の間でも独立調査への支持は高い。調査会社ICMの今月半ば時点の世論調査では、47%が独立調査実施に賛成し、不支持(18%)を大幅に上回った。 (C)時事通信社