国土交通省は23日、2021年の公示地価(1月1日時点)を公表した。全用途の全国平均は前年比0.5%のマイナスで、15年以来6年ぶりに下落に転じた。訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加を背景に地価上昇の傾向が続いてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い店舗やホテルの不動産需要が縮小。観光地や、飲食店が集まる繁華街を中心にダメージが広がった。
 住宅地は0.4%のマイナスで5年ぶりの下落。上昇したのは、高級物件のある都心部や交通の便の良い郊外など一部にとどまった。商業地は0.8%のマイナスで7年ぶりの下落。日常的な買い物で利用する商業施設がある郊外では上昇も見られたが、多くの地点で下方に転じた。工業地は、インターネット通販の利用拡大に伴う物流施設用地の需要があり、0.8%の上昇だった。
 圏域別に見ると、三大都市圏は全用途平均で0.7%のマイナスと8年ぶりに下落。特にインバウンドの恩恵を受けてきた大阪圏の商業地は1.8%のマイナスで、前年(6.9%上昇)から大幅な反動減となった。
 札幌、仙台、広島、福岡の4市を除く地方圏で、前年は28年ぶりにプラスに転じたが、今回は0.6%のマイナスで再び下落。4市は再開発計画や堅調なオフィス需要を背景に上昇が続いたが、伸び率は前年の7.4%から2.9%へと縮小した。
 上昇率が最大だったのは、住宅地、商業地ともにスキーリゾート地として人気が高い北海道倶知安町の地点。上昇率はいずれも前年から縮小した。地価が最も高かったのは、住宅地が4年連続で「東京都港区赤坂1―14―11」で、1平方メートル当たり484万円(前年472万円)。商業地は15年連続で東京都中央区銀座の山野楽器銀座本店で、同5360万円(同5770万円)だった。 (C)時事通信社