東京五輪の聖火リレーが25日、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)でスタートを切る。新型コロナウイルス感染拡大の懸念が消えない中、約1万人のランナーが祭典の象徴となる聖火を運び、東京・国立競技場で開会式が行われる7月23日まで121日間で47都道府県、859市区町村を巡る。感染対策と大会に向けた機運醸成を両立できるかがポイントで、本番運営の試金石にもなる。
 前例のないコロナ下の聖火リレー。過去の五輪で見られた風景は一変する。大会組織委員会や各都道府県の実行委員会は沿道の観客に密集回避を呼び掛け、マスク着用や対人距離の確保、発声しないことを要望。密集が解消されないと判断すれば、走行を停止し次区間に移ることも検討する。
 各日の最終到着地で行われるセレモニー観覧は、原則として事前予約制。著名人ランナーに人が集まるのを防ぐため、具体的な走行区間は実施直前30分前まで公開しない。組織委などは、毎日配信するインターネット中継を視聴するよう呼び掛ける。
 感染拡大につながれば、大会に風当たりが強まるのは必至。組織委の武藤敏郎事務総長は「無事に聖火リレーを行っていくことが、結果的にはオリンピック・ムーブメントを盛り上げることになる」と述べ、コロナ対策の徹底を強調した。
 ランナーが持つトーチのデザインは、日本人になじみの深い桜をモチーフとした。東日本大震災被災地の仮設住宅に用いられたアルミニウムの廃材が使われており、福島県での出発とともに「復興五輪」を印象付けている。今回の聖火リレーのコンセプト「希望の道を、つなごう」の言葉通り、大会開催への道筋をつけられるかが焦点となる。 (C)時事通信社