2019年参院選をめぐる選挙買収事件で起訴された元法相、河井克行被告(58)=自民党離党=は近く、衆院に議員辞職願を提出する。23日の公判で、河井被告は選挙買収を一転して認めるとともに、議員辞職を表明。新型コロナウイルス対応の遅れや総務省幹部接待問題で批判を受ける菅義偉首相にとってはさらなる痛手となる。
 加藤勝信官房長官は23日の記者会見で「法相経験者の刑事裁判は残念だ。政治不信を招いたとの批判を重く受け止める」と語った。党本部が提供した選挙資金1億5000万円が買収の原資になったとの指摘には「答える立場にない」と述べるにとどめた。
 河井被告は初当選同期の首相と近い。19年の法相就任は、当時官房長官だった首相が後押しし、同被告の妻、案里前参院議員の参院広島選挙区への擁立も主導したとされる。
 首相にとっては自身に近い議員らの不祥事が相次いでいる。鶏卵生産会社から現金を受け取ったとされる吉川貴盛元農林水産相は議員辞職。西川公也元農水相も内閣官房参与を退いた。総務省接待問題では、首相が重用してきた山田真貴子内閣広報官、谷脇康彦総務審議官が辞職した。
 4月25日には、衆院北海道2区、参院長野選挙区の両補欠選挙と、参院広島選挙区の再選挙が投開票される。河井被告が選出されている衆院広島3区は、15日までに辞職しなかったため、公職選挙法の規定で4月の補選は行われない。広島3区には、公明党が斉藤鉄夫副代表(比例代表中国ブロック)の擁立を決定している。 (C)時事通信社