大会を象徴する聖火の4カ月にわたる旅が始まった。「復興五輪」を掲げ、福島の地からスタート。一般客のいない会場で、被災地産の花がステージを彩った。10年前のワールドカップでなでしこジャパンの監督を務めた佐々木則夫さんが「希望の光を届けたい」と決意表明。トーチを手にした岩清水梓選手を先頭に、1年待った聖火リレーは関係者の拍手で静かに送り出された。
 コロナ下の出発式は当初の計画より内容を縮小した。屋内施設で人数を減らし、出席者は全員がマスク姿。やや寂しい晴れ舞台には感染症が影を落とす五輪の現状が映し出された。エースだった澤穂希さんらは欠席した。
 それでも、東日本大震災でダメージを受けた日本に勇気を与え、国民栄誉賞を授与されたなでしこの発したメッセージには力があった。佐々木さんは「このコロナ禍、そして復興半ばの皆さんに必ずや勇気と元気を送るのは間違いないと信じている」。鮫島彩選手は「明るいニュースがない中で、ポジティブなニュースとして広がったらいいな」と願った。
 大会準備に苦心が続く組織委の橋本聖子会長は「温かい光となって、全国に希望をともしていってほしい」。大会への道を照らす聖火に、困難を乗り越える力を重ね合わせるように語った。 (C)時事通信社