年始恒例の宮中行事「歌会始の儀」が26日午前、皇居・宮殿「松の間」で、約2カ月遅れで行われた。今年のお題は「実(じつ)」。天皇、皇后両陛下や皇族方、天皇陛下から招かれた召人(めしうど)、選者、入選者の歌が、古式にのっとった独特の節回しで披露され、両陛下は新型コロナウイルスの収束を願う歌を詠まれた。
 当初は1月15日の予定だったが、急激な感染拡大で延期されていた。発声者は感染対策でフェースシールドを着用し、前にアクリル板を設置。1万3657首の一般応募から選ばれた入選者10人のうち、福井県小浜市の杉崎康代さん(77)はモニター越しにオンラインで参列した。皇族方や入選者以外の参列者は例年の約100人から3人になった。宮内庁によると、松の間でアクリル板やモニターを使うのは初めて。
 陛下は、コロナ禍を乗り越えようとする人々の願いと努力が実を結び、平穏な世の中が訪れるよう祈る気持ちを詠んだ。皇后さまは緊急事態宣言下の昨年5月、お住まいがある赤坂御用地で、例年通り実を付けた梅の木から自然の営みの力を感じたことを歌にした。
 秋篠宮さまは夏に咲く稲の花を見て、秋の豊かな実りを願った歌を、同妃紀子さまは熟したカリンの実の香りに安らぎを感じたことを、それぞれ詠んだ。 (C)時事通信社