一般会計の歳出総額が106.6兆円と過去最大の2021年度予算が成立した。新型コロナウイルス対策の経費が膨らんだ一方、歳入面では景気低迷で税収が落ち込み、国債依存度は7年ぶりに4割を突破。25年度に国・地方の基礎的財政収支(PB)を黒字化する目標の達成は絶望的だが、財政健全化の議論は停滞している。
 21年度予算は、20年度第3次補正と一体的な15カ月予算との位置付けだ。感染拡大防止や社会のデジタル化・脱炭素化に向けた経費などが盛り込まれた。
 一方、政策的経費を税収でどれだけ賄えているかを示すPBは20.4兆円の大幅な赤字。国と地方の長期債務残高は21年度末に1209.4兆円まで膨張し、国内総生産(GDP)に対する比率は216%と主要国で最悪の水準が続く見通しだ。
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が18日に開いた分科会で、榊原定征会長は「来年から団塊の世代が後期高齢者になり、社会保障費が増加する」と指摘。「構造的課題への対処が不可欠で、財政健全化の議論を前に進めねばならない」と警鐘を鳴らした。
 ただ、与野党の間では引き続き積極的な財政出動を求める意見が多い。自民党の閣僚経験者は「やり過ぎるリスクよりも足りないリスクの方が危険だ」として、巨額の新規国債発行による21年度補正予算の編成を主張。立憲民主党などは中小企業への持続化給付金の再支給(予算額7兆円)を求めている。
 諸外国も巨額のコロナ対策で財政が悪化している。こうした中、英政府は法人税率の引き上げを決めた。麻生太郎財務相は26日、予算成立を受けて記者会見し、「日本としては直ちに法人税や消費税を上げることを考えているわけではない」と述べた。今夏にまとまる経済財政運営の基本指針「骨太の方針」で健全化の道筋がどのように示されるかが焦点となる。 (C)時事通信社