【サンパウロ時事】新型コロナウイルスの累計感染者数、死者数がともに世界ワースト2のブラジルで、ワクチン強盗が相次いでいる。同国では1月中旬に接種が始まったが、ワクチンは不足気味。法外な値で取引する「ヤミ市場」も存在しているとみられる。
 南東部のサンパウロ市南部では24日午後、男が医療施設に侵入。接種会場で職員に銃を突き付けて新型コロナウイルスのワクチン98回分を奪い、逃走した。事態を重く見たサンパウロ州公安局は、特別捜査班を編成して男の行方を追っている。
 一方、地元メディアによれば北東部リオグランデドノルテ州の州都ナタル南部では22日、自動小銃などで武装した男らが保健所に押し入った。朝に一度保健所を襲ったが、まだワクチンが到着していなかったため退散。通報で駆け付けた警察が引き揚げた昼前に再び現れ、20回分を強奪したという。警察はこれまでに容疑者2人を逮捕した。
 ブラジルでは無料の公的保健機関以外での接種には規制がかけられているが、23日には南東部ミナスジェライス州で一部の政治家や実業家らが非公式ルートで入手したワクチンを接種していたことが発覚。後に虚偽広告と判明したものの、ネット上では2回分で、最低月給の8倍に当たる9000レアル(約17万円)というヤミ値もついている。 (C)時事通信社