政府は、複数の種類の新型コロナウイルスワクチンが国内で使用できるようになった場合、国民がそれぞれ希望する種類を選択できるようにする方針だ。ただ、特定のワクチンに「人気」が集中すれば、政府や自治体の接種計画や事務に支障を来す可能性もあり、混乱回避が課題となる。
 加藤勝信官房長官は29日の記者会見で「複数のワクチンが承認された場合、地域によっては複数のワクチンが流通する場合がある。接種会場ごとに原則一つのワクチンを接種する方向で検討がなされている」と語った。ワクチン選択に関し「具体的な運営は今後検討していく」と詳細については説明を避けた。
 河野太郎規制改革担当相の下でワクチン担当を務める小林史明大臣補佐官が28日の民放番組で、接種会場で使うワクチンの種類は「公表される」とし、「会場を選べば打つワクチンを選ぶことができる」と明らかにした。加藤氏も小林氏の発言が政府の方針であることを認めたものだ。
 現在、日本で使われているコロナワクチンは米製薬大手ファイザー社製のみ。英製薬大手アストラゼネカ製と米バイオ医薬品企業モデルナ製は厚生労働省が審査中。ともに承認されれば最大3種類のワクチンが国内で流通することになる。
 選択肢が広がれば、副反応の状況などによって、接種予約のキャンセルなどが相次ぐ恐れがある。また、特定のワクチンばかり好まれると需給バランスが崩れかねず、政府高官は「業務がややこしくなる」と懸念する。加藤氏は会見で「適切な情報提供を行っていく。接種会場などが混乱しないように接種体制の確立をしっかり行っていきたい」と述べた。 (C)時事通信社