【ワシントン時事】米国で新型コロナウイルスの新規感染者が、再び増加傾向を示している。バイデン大統領は29日、演説で「新型コロナとの戦争で、勝利はまだまだ先だ」と主張。ワクチン接種をさらに加速させる決意を示すとともに、感染拡大防止のための各種規制を緩めないよう、各州当局に呼び掛けた。
 疾病対策センター(CDC)の最新集計によると、7日間の平均で見た米国の1日当たりの新規感染者数は6万人弱で、前週と比べ約10%増加。新規入院患者数も、わずかながら増えた。南部などで経済活動規制の緩和に踏み切る州が相次いだほか、大学が春休み期間に入り、人の移動が増えたことが影響した可能性もある。
 バイデン氏は演説で、「人々が(感染への)警戒を解きつつある。とても悪い事だ」と警告。州知事ら地方指導者に、公共の場所でのマスク着用義務を維持するよう求めた。演説後には、州レベルでの経済活動再開を停止すべきかと記者団に問われ「その通りだ」と応じた。
 CDCのワレンスキー所長は29日の記者会見で「『迫り来る破滅』という感覚を禁じ得ない」と危機感を表明。欧州諸国での感染拡大に続いて米国で感染者が増える傾向に言及し、感染防止に全力を挙げるべきだと訴えた。
 ただ、ワクチン接種が広がって人々が早期に集団免疫を獲得すれば、手が付けられない状況を回避できる。CDCによれば、29日時点で少なくとも1回の接種を受けたのは、人口の29%弱に当たる9500万人強。バイデン氏は接種対象を広げ「4月19日までに、全成人の少なくとも90%が接種を受けられるようにする」と宣言した。 (C)時事通信社