【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスの起源を調べるために中国に派遣した調査団の報告書を公表し、動物から中間宿主を通じて人に感染したとの仮説が最も有力と発表した。一方、武漢の研究所からウイルスが流出したと疑う説は「極めて可能性が低い」とほぼ否定した。
 ただ、加盟国への説明でWHOのテドロス事務局長は「すべての仮説はまだ残っている」と指摘。一段の分析が必要と強調した。
 調査団は、四つの仮説の妥当性を検証。感染源の動物から、別の動物の中間宿主を通じ人に感染した説を最有力な「可能性が高い~非常に高い」と分類した。感染源の動物から直接人間に伝染した説も2番目に有力な「可能性はある~高い」と位置付けた。
 中国側が示唆していた、冷凍食品を感染源と疑う説については3番目に説得力があるものとして「可能性はある」と分類。これに対し、米国が主張した研究所からの流出説は「非常に高い安全基準が研究所にはあった」などと認め、極めて可能性は低いと結論付けた。
 報告書はこのほか、武漢での最初の事例よりも前に他国で感染が確認された例があり、中国外で感染が広がっていた可能性は排除できないとも明記した。
 調査団は、中国外の17人、中国の17人の専門家で構成。1月14日から2月10日まで現地調査を行った。現地入り後、前半の2週間はコロナ対策で隔離された。当初は調査終了直後に報告書を発表する予定だったが、米中が内容をめぐり対立し、公表が遅れていた。 (C)時事通信社