大阪府などの新型コロナウイルス感染急拡大を受け、政府は「まん延防止等重点措置」の初適用に踏み切る。府に対する緊急事態宣言の解除からわずか1カ月。「第4波」の兆しが表面化する中、今回の対応が効果を発揮するのか。政府は早くも正念場を迎えている。
 「まん防(まん延防止措置)発令を検討する時期に来ている」。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は31日の衆院厚生労働委員会で、大阪府の感染状況についてこう言明した。
 まん延防止措置は、2月に成立した新型コロナ対策の改正特別措置法で新設された。緊急事態宣言より区域を絞った適用が可能で、政府は「感染拡大を初期段階で抑える」(内閣官房幹部)ことを狙う。「感染対策の急所」とされる飲食店について、営業時間のさらなる短縮などの徹底を、府に求める考えだ。
 府の新規感染者数は31日、599人と東京都を超えた。1週間の新規感染者数を前週と比較した数値は、内閣官房の資料によると2.27(30日時点)で、さらに急増する勢い。隣接する兵庫県も、病床使用率が6割となっている。分科会メンバーの一人は現状について「緊急事態宣言のレベルだ」と強い危機感を示す。
 今回の感染拡大をめぐっては、野党側から「時期尚早という指摘にもかかわらず緊急事態宣言を解除したことは明らかに誤りだった」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)との批判が出ている。宮城、愛媛、沖縄各県などでも感染拡大の傾向が見られ、まん延防止措置の適用対象となる地域が、さらに増える可能性も否定できない。 (C)時事通信社