【ベルリン時事】新型コロナウイルスの第3波が深刻化するドイツで、店舗などを閉鎖する厳格なロックダウン(都市封鎖)ではなく、検査拡大で乗り切ろうとする動きが広がっている。封鎖は既に5カ月に及ぶ。市民や経済界の忍耐が限界に近づく中、当局が試行錯誤した結果だが、一段の感染拡大を招きかねないとも懸念される。
 南部テュービンゲンでは3月16日から、市民に検査を無償で行い、陰性者に「1日券」を発行。市中心部で買い物や屋外の飲食店での食事などをできるようにする試みを開始した。
 ベルリン市(州と同格)も31日から、陰性証明があれば買い物や博物館入場を可能にした。市政府与党、左派党ベルリン支部のシューベルト代表は、この手法は「ロックダウンの代替策だ」と強調。デモ頻発など各種制限への不満が噴出する中で、同様の試みは全国に広がる。
 ただ、2月にはほぼ一日数千人だったドイツの新規感染者数は3月下旬に入って、2万人を超える日が繰り返された。ドイツ集中治療医学会は28日、声明を出し、集中治療室の病床が埋まりつつある「重大な局面」だと危機的状況を訴えた。厳格な措置で、より感染者が減った後に、検査拡大と店舗開業を行うべきだと呼び掛けている。
 メルケル首相も厳しい措置を求めてきたが、ドイツの現行の連邦制下では各州の権限が強く、各地で制限緩和が広がる。首相はいら立ちを募らせており、28日の公共放送ARDとのインタビューでは「無策のままではいない」と警告。連邦政府による介入に踏み切る可能性も示唆した。 (C)時事通信社