腰痛治療の一環として行われるリハビリテーション(腰痛リハ)。通常は院内で実施されるが、コロナ禍でウェブを介したリハビリが導入されている。米・Spinezone Medical FitnessのKamshad Raiszadeh氏と米・University of California, San DiegoのBahar Shahidi氏らは、前向きコホート研究により院内でのリハビリとウェブによるリハビリの効果を比較。その結果を、J Med Internet Res2021; 23: e22548)に報告した。

重症度やオピオイド使用頻度などの変化を比較

 腰痛リハの有効性は多く報告され、標準治療として位置付けられている。また近年はインターネットを介したリハビリも台頭している。そこでRaiszadeh氏らは、院内リハビリとウェブリハビリの腰痛改善効果を検討した。

 対象は、脊椎症に対する個人ベースのリハビリの有効性を評価する前向き研究SpineZoneリハビリプログラムに参加する腰痛患者1,090例。院内リハビリ群(988例)とウェブリハビリ群(102例)に割り付け、12週間のプログラムを実施。腰痛症状の重症度(Numeric Pain Rating Scale)、身体障害度(Oswestry Disability Index)、腰痛により大きく影響を受けている活動に対する目標達成率(Patient-Specific Functional Scale)、オピオイド使用頻度のベースラインからの変化量を比較した。

 両群の主な患者背景を見ると、平均年齢は院内リハビリ群62.04歳、ウェブリハビリ群64.41歳、女性の割合はそれぞれ59.50%、51.20%、腰痛症状を3カ月超有するのは86.70%、89.20%と同等であった。評価項目については、腰痛症状の重症度がそれぞれ5.00、4.58、身体障害度が27.47、21.50、目標達成率が3.90、3.10など、同等であった。

重症度は両群で臨床的意味のある改善、院内リハ群でより顕著

 多変量線形回帰モデルを用いて、各評価項目のベースラインからの変化量を比較した。その結果、腰痛症状の重症度は両群とも臨床的に意味のある改善が認められたが、改善度はウェブリハビリ群に比べ院内リハビリ群で有意に大きかった(P<0.001)。身体障害度についても、院内リハビリ群で有意な改善が認められた(P=0.002)。

 一方、目標達成率は院内リハビリ群に比べウェブリハビリ群で有意に高かった(P<0.001)。オピオイド使用頻度は両群で大幅な減少が認められ、オピオイドの休薬達成率は院内リハビリ群が18.92%、ウェブリハビリ群が21.56%とで、オピオイド使用率は1,090例全体のわずか5.59%(61/1,090例)にまで低下した。

 今回の結果から、Raiszadeh氏らは「院内またはウェブでの実施にかかわらず、12週間の腰痛リハにより重症度、身体障害度、目標達成率、オピオイド使用頻度がいずれも改善した。とりわけ重症度および身体障害度は院内リハビリで、目標達成率はウェブリハビリで有意な改善を示した」と結論。さらなる研究を通して、患者の特性に応じたリハビリプログラムの有効性を検証すべきと主張している。

松浦庸夫