新型コロナウイルスの影響で「家飲み」需要が伸びる中、レモンサワー市場が活況だ。ビールに似た風味で割安な第三のビールの酒税が2020年10月に引き上げられたのに対し、缶酎ハイの税率は据え置かれてお得感が出たのも一因。爽快な飲み応えがビール類に代わる食事のお供として支持を広げている。
 サントリースピリッツ(東京)によると、缶酎ハイ市場はこの10年で2倍以上に拡大。20年の市場規模は350ミリリットル缶で約44億本に相当する。前年比で10%以上伸び、市場の4割を占めるレモン系がけん引した。外食頻度の高い消費者の支持を集めているといい、「本格的な味を好む傾向」(商品担当者)が指摘される。
 商機と捉えたメーカー各社は品ぞろえの拡充を急ぐ。健康志向の高まりを背景にキリンビールでは香料無添加の「麒麟(きりん)発酵レモンサワー」が堅調。サントリーは飲食店向けにも出荷している「こだわり酒場」シリーズを一新したほか、レモン味を一層引き立てた商品を3月に売り出した。
 素材や製法にこだわり、数十円価格帯が高めのレモンサワーも人気だ。日本コカ・コーラは昨年12月、「檸檬堂(れもんどう)」で甘味を抑えた新商品を投入。アサヒビールは一部コンビニに限定していた「ザ・レモンクラフト」の販路を全国的に広げた。サッポロビールは「レモン・ザ・リッチ」で味わいを改善し、売れ行きが好調という。
 長引くコロナ禍で当面、業務用の回復が望めず、各社は、家飲み需要は「さらに伸びる」(大手幹部)と期待を寄せている。 (C)時事通信社