首都圏の台所、東京・豊洲市場(江東区)の仲卸は、新型コロナウイルスの影響で取引先となる飲食店の経営不振が続く中、あの手この手で自慢の高級魚の消費を高めようと躍起になっている。
 豊洲のマグロ仲卸「大花」の協力を得て、神奈川県や東京都内ですし店「祭ずし」を展開する大商物産(本社・川崎市)は3月下旬から、2000円(税込み)で国産天然クロマグロのすしを食べ放題にする企画を開始した。
 緊急事態宣言の解除を機に「おいしいマグロを安く、たくさん食べてもらいたい」という同社の思いに、「コロナ禍で厳しい経営を続けるすし店を応援したい」という大花が、豊洲で競り落とした高級マグロを採算度外視で納品。低料金の食べ放題が実現した。
 ネタは大トロや中トロ、赤身などで、制限時間2時間。これまで40個以上食べた客もいたという。食べ放題は、今月18日まで実施する予定。大商物産の大城啓護副社長は「マグロ以外にも豊洲のおいしい魚介はたくさんあるので、よかったらほかのネタも食べてほしい」とPRする。
 一方、豊洲仲卸「尾辰商店」の河野竜太朗社長は巣ごもり需要を見込んで、電話やインターネットによるデリバリーが可能な生鮮食品の小売店「メトロマーケット」を今月10日、港区にオープンさせる。
 配達は店から2キロ圏内で「上質な魚や肉、野菜を少量ずつ買えて届けてくれる店」(河野社長)を売りに、豊洲直送のクロマグロやウニ、イクラといった魚介や「飛騨牛」などのブランド牛も販売する。
 店内にはキッチンも完備し、店のスタッフが調理する。河野社長は「タイの皮を引いてムニエルを作ったり、高級すし店の手巻きずし作りを再現したりして、お客さんに店の魚の調理法を教えながら、食べてもらいたい」と話している。 (C)時事通信社