新型コロナウイルス拡大で打撃を受ける百貨店が、販売・サービスのデジタル化を急いでいる。若年層の百貨店離れやインターネット通販との競争激化により、売上高はピーク時に比べ半減。全国で閉店が相次ぐ。インバウンド消費も期待できない中、各社はこれまで培った接客術を生かしたオンライン販売に活路を求めている。
 そごう・西武は、昨夏から得意客向けにビデオ会議システム「ズーム」による接客を始め、3200万円以上を売り上げた。宝飾品が堅調で、高額商品をオンラインで購入してもらえるのは「百貨店に信頼があるから」(広報)と手応えを感じている。
 伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)では、3月からスマートフォンの専用アプリを使った仮想現実(VR)店舗で買い物ができるサービスを始めた。自分のアバター(分身)で店舗内を巡り、気に入った商品は通販で購入できる。3月31日にはデパ地下のクッキーや焼き菓子の販売も始め、商品数を順次拡大する計画だ。
 デジタル化の波は地方にも波及している。中国地方が地盤の天満屋は2月から福山店(広島県福山市)でオンライン接客を開始した。今後岡山本店(岡山市)などでも導入する方針。地元産の陶芸品や高価格帯の婦人服が売れており、「コロナ後も需要が見込める」(広報)と期待している。
 日本百貨店協会によると、2020年の百貨店売上高は約4兆2200億円と、1991年のピーク時から半減。大丸松坂屋百貨店の沢田太郎社長は「百貨店はコロナ以前から消費者の変化に対応できていなかった」と指摘し、デジタル化で時代の変化を乗り切る構えだ。 (C)時事通信社