小野薬品工業と生化学工業は昨日(3月23日)、ジクロフェナクとヒアルロン酸を結合した新薬(DF-HA、商品名ジョイクル)の製造販売承認を厚生労働省から取得したと発表した。適応は変形性膝関節症(膝OA)と変形性股関節症(股OA)。(関連記事「『中身』を犠牲にしたOA治療薬はアリか?」)

12週後の膝の痛みが有意に改善

 DF-HAは、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)のジクロフェナクに軟骨保護作用を有するヒアルロン酸を化学結合させた関節内注射薬。国内で実施された3件の第Ⅲ相試験が承認の根拠となった。そのうちの1つ、膝OA患者を対象にしたランダム化比較試験の結果が公表されている(Arthritis Rheumatol 2021年3月22日オンライン版)。

 同試験では、有症状の膝OA患者440例(年齢40~75歳)を対象に、関節腔内にDF-HA 30mgを4週ごとに6回注入する実薬群とプラセボ群に1:1で割り付け、24週まで追跡した。

 その結果、主要評価項目とした12週後における膝の痛みの評価指標(WOMACスコア)のベースラインからの変化量(初回投与後1~12週の平均)は実薬群で有意に改善した(P<0.001)。両群のWOMACスコアには1週目から差異が認められ、24週まで維持される傾向にあった。実薬群で2例のアナフィラキシー反応が認められた。

 両社では、膝OA、股OAに対するDF-HAの有効性に期待を示している。また、安全性については「注射薬として関節腔内に直接投与するため、ジクロフェナクの全身曝露量が少なく、全身性の副作用リスクが低い」との見解を示している。

平田直樹