株式会社CureAppは、自治医科大学循環器内科学教授の苅尾七臣氏らと共同研究中の高血圧治療アプリについて、国内第Ⅲ相多施設共同ランダム化比較試験において主要評価項目である24時間の平均収縮期血圧(SBP)で降圧効果が確認されたと発表した。今後、同試験の結果に基づき薬事承認申請を行う予定。(関連記事:「日本初、高血圧を治すアプリ治験開始」「国内初、治療用アプリが保険収載へ」

意識・行動変容を促し正しい生活習慣の獲得をサポート

 高血圧は脳心血管疾患の最大の危険因子であり、生活習慣の改善や薬物治療による介入が行われるが、薬物に拒否反応を示す患者も一定数存在する。そこで、このような課題に対応するために同社が開発したのが高血圧治療アプリである。

 高血圧治療アプリは、IoT血圧計を用いた血圧モニタリングと生活習慣のログから最適化された食事、運動、睡眠などの知識や行動改善を働きかける情報など個々の患者に適した治療ガイダンスを自動で直接患者に提供する。患者の意識・行動変容を促し正しい生活習慣の獲得をサポートすることで、薬物を使用せずに高血圧の改善に導く仕組みとなっている。

主要評価項目は24時間の平均SBP変化量

 2019年12月に開始された同試験では、降圧薬未使用の本態性高血圧患者を対象に、高血圧治療アプリの有効性と安全性を評価。『高血圧治療ガイドライン2019』に沿った生活習慣の修正のみを行う対照群と生活習慣の修正に加え高血圧治療アプリを使用する介入群に分け、主要評価項目である治療開始12週時点の自由行動下血圧測定(ABPM)による24時間の平均SBPの変化量を検討した。

 その結果、対照群に比べて介入群ではABPMのベースラインからの有意な低下が認められ、高血圧治療アプリによる降圧効果が示された。苅尾氏は「主要評価項目で降圧効果が認められたことは、高血圧治療において意義深い大きな一歩となった。高血圧治療アプリによる『デジタル高血圧治療』は高血圧治療の新たな領域として、今後の個別最適化医療の社会実装および非薬物治療の一翼を担うことが期待される」とコメントしている。

 なお、同試験の詳細は、学会および論文での発表が予定されている。

薬事承認および保険適用を目指す

 同社代表取締役社長で医師の佐竹晃太氏は「高血圧治療アプリの普及は高血圧治療に変化をもたらすだけでなく、医療費削減にも大きく貢献すると考えている。昨年(2020年)、日本で初めて保険適用されたニコチン依存症治療アプリに引き続き、高血圧治療アプリも薬事承認および保険適用を目指していく」と展望している。

(芦澤直子)