糖尿病は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の予後不良に関連する主な危険因子の1つであることが報告されている。フランス・University of NantesのMatthieu Wargny氏らは、糖尿病を有するCOVID-19入院患者の予後と予後関連因子を明らかにするため、同国内68施設の多施設共同後ろ向き研究CORONADO(Coronavirus SARS-CoV-2 and Diabetes Outcomes)を実施。糖尿病を有するCOVID-19入院患者の約5人に1人が入院後28日以内に死亡していたとする結果をDiabetologia2021; 64: 778-794)に発表した。同研究ではまた、入院後28日以内の退院および死亡に関連する因子も明らかにされた。

入院後28日以内の退院率は50.2%

 Wargny氏らは、2020年5月にCORONADOに登録された糖尿病を有するCOVID-19入院患者1,317例において、入院後7日以内の死亡率が11.2%であったことを報告。また、入院後7日以内の死亡にはBMI、年齢、大血管合併症および細小血管合併症などが関連していたとする解析結果を報告している(Diabetologia 2020; 63: 1500-1515)。

 同氏らは今回、同研究のデータを用いてより多くの患者を対象に、より長期(最長で28日間)にわたり追跡を行った。

 対象は、2020年3月10日~4月10日にCOVID-19で入院した糖尿病患者2,796例(平均年齢69.7歳、BMI中央値28.4)。このうち1,404例(50.2%)が入院後28日以内に退院し〔入院期間中央値9日(範囲5~14日)〕、577例(20.6%)が死亡していた。

高齢、細小血管合併症などが死亡リスクに関連

 多変量モデルを用いた解析の結果、入院後28日以内の退院に関連する因子は①年齢が若い②メトホルミンの日常的な使用③発症から入院までの期間が長い-であった。

 一方、同期間に退院の可能性を低下させる因子は①細小血管合併症の既往歴②日常的な抗凝固薬の使用③入院時の呼吸困難④AST値の上昇⑤白血球数の上昇⑥C反応性蛋白(CRP)値の上昇-であった。

 また、入院後28日以内の死亡リスク上昇に関連する因子は①高齢②細小血管合併症の既往歴③インスリンの日常的な使用④スタチンの日常的な使用⑤入院時の呼吸困難⑥AST値の上昇⑦白血球数の上昇⑧血小板数の低下⑨CRP値の上昇-であった。

 他方、同期間の死亡リスク低下に関連する因子は①メトホルミンの日常的な使用②発症から入院までの期間が長い-であった。

 以上を踏まえ、Wargny氏らは「糖尿病を有するCOVID-19入院患者については、退院および死亡に関連する因子の確認により患者を再分類でき、個々の患者プロファイルに適した医療資源の使用につながる可能性がある」と述べている。

(岬りり子)