英・University of Oxfordの主導により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者を対象に既存薬の有効性を検証する非盲検ランダム化比較試験(RCT)RECOVERYが行われている。同試験の主任研究員らは3月5日、「COVID-19入患者に対しコルヒチンの効果を示すエビデンスは示されなかった」とする独立データ監視委員会(DMC)の勧告を受け入れ、コルヒチンの同試験への組み入れ募集を終了したとの声明を発表した。(関連記事「コルヒチン、新型コロナで治験開始へ」「コルヒチンによるコロナ治療に2つの効果」

28日死亡率はコルヒチン群20%、通常ケア群19%

 一般的に痛風の治療に用いられる抗炎症薬であるコルヒチンは、RECOVERYでは昨年(2020年)11月から検討されていた。同試験のDMCは、コルヒチンと通常ケアによるRCTのデータをレビューした。今回の予備解析では、全1万1,162例の対象のうち2,178例が死亡しており、主要評価項目の28日死亡率はコルヒチン群で20%、通常ケア群で19%と、有意差は認められなかった(リスク比1.02、95%CI 0.94〜1.11、P=0.63)。

 DMCは、さらに被験者を組み入れてもコルヒチンがCOVID-19入院患者の死亡率低下に便益を提供するという決定的なエビデンスは得られなかったと判定している。DMCの勧告によってRDCOVERYのコルヒチン部門への募集を終了することになった。患者のフォローアップは進行中で、最終結果は可能な限り早期に公開されることになる。なお、アスピリン、バリシチニブ、抗体カクテル(casirivimab+imdevimab)など他の治療群の募集は継続している。

ネガティブな結果も重要な情報に

 同試験の共同主任研究員の1人で同大学のMartin Landray氏は「RECOVERYでは、重症COVID-19入院患者に真の便益をもたらすかどうかを検証するため、大規模なRCTを実施している。抗炎症薬のデキサメタゾンやトシリズマブなどで有効性が認められた一方、コルヒチンに効果がなかったことは残念に思う」とコメントしている。

 同じく共同主任研究員のPeter Horby氏は「今回のRCTはコルヒチンで最大規模の試験で、英国保健サービス(NHS)の尽力とスタッフ、患者の多大な協力によって可能となった。ネガティブな結果には失望したが、それでも英国および世界中のCOVID-19患者の将来的なケアにとって重要な情報である」と述べている。

(慶野 永)