日本小児科学会は昨日(2月24日)、日本川崎病学会と連名で国内において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患児が確認されたとの声明を同学会の公式サイトで発表した。患児は少数で、治療によって全例が回復しているという。重症患児について、同学会は「川崎病とは異なる疾患と考えられている」と指摘。「川崎病患者が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しやすく、それに伴い小児多系統炎症性症候群を発症するといった心配はないことから、川崎病患者を特別に隔離する必要はない」と呼びかけている。

小児多系統炎症性症候群の症状あり

 小児におけるCOVID-19は比較的軽症で、多くの場合は治療を要しない。声明によると、今年(2021年)2月23日時点で、国内において10歳未満のCOVID-19患者は約1万人、10歳代では約2万人が確認されているが、死亡例はない。

 一方、欧米などの諸外国では、一定の割合で重症化する小児のCOVID-19患者が報告されており、成人のように肺炎が悪化し重症化するケースとは異なり、下痢、発熱、発疹、心臓の動きが悪化するといった小児多系統炎症性症候群の症状が見られるという。

 こうした症状は、学童期以降の小児において、SARS-CoV-2感染後2~6週間経過した回復期に認められる傾向がある。

 声明において、同学会は「今回報告された国内のCOVID-19重症患児においても、小児多系統炎症性症候群と考えられる例が確認された」と述べているが、「全例治療により回復した」としている。

 また、「川崎病に似た症状を示す、ないし川崎病の診断項目を満たす例もあるが、小児が罹患する重症COVID-19は川崎病とは異なる疾患と考えられている」と説明。「川崎病の既往歴がある患者がSARS-CoV-2に感染しやすいとか、感染に伴い小児多系統炎症性症候群を発症するといった懸念はない」と強調し、「川崎病患者を隔離する必要はない」と呼びかけている。

 さらに、小児がSARS-CoV-2に感染した場合、あるいは家庭内などに感染者がいる場合は、「発症後数週間は小児の下痢や発熱、発疹、ぐったりするといった症状に注意すべきである。そのような症状が見られる場合は、診断を受けた医療機関に相談してほしい」と促している。

(陶山慎晃)