英・University of OxfordのMerryn Voysey氏らは、同大学とアストラゼネカ社が共同開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)の有効性と安全性を4件のランダム化比較試験(RCT)で検討し、結果をLancet2021年2月19日オンライン版)に発表した。同ワクチンは1回目の接種から90日後においても新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)特異的IgG抗体価が維持され、1回目と2回目の接種間隔が長いほど有効性が高かった。

ワクチン接種群の入院例はゼロ、有効率66.7%

 解析対象は、単純盲検RCT 3件(英国の第Ⅰ/Ⅱ相試験と第Ⅱ/Ⅲ相試験、ブラジルの第Ⅲ相試験)および二重盲検RCT 1件(南アフリカの第Ⅰ/Ⅱ相試験)の計4件に参加した18歳以上の成人1万7,178例。内訳は、標準用量(一部のRCTでは1回目が低用量)のAZD1222ワクチンを2回接種するAZD1222群が8,597例、対照ワクチン(髄膜炎菌結合型ワクチンMenACWY)または生理食塩液を2回接種する対照群が8,581例だった。

 主要評価項目は、2回目の接種後14日目以降の症候性COVID-19発症〔核酸増幅試験でSARS-CoV-2陽性かつCOVID-19に特徴的な症状(37.8℃以上の発熱、咳、呼吸困難、嗅覚障害、味覚障害)を1つ以上発現〕とした。

 解析の結果、主要評価項目の発生はAZD1222群84例(1.0%)と対照群248例(2.9%)の計332例で、ワクチンの有効率は全体で66.7%(95%CI 57.4~74.0%)だった。

 1回目の接種から22日目以降にCOVID-19で入院した患者は、対照群の15例に対しAZD1222群では皆無だった。

 重篤な有害事象の発現率は、AZD1222群で0.9%、対照群で1.1%だった。ワクチン接種とは関連性がないと考えられる死亡が7例(AZD1222群2例 vs. 対照群5例)発生し、うち対照群の1例はCOVID-19関連死だった。

接種間隔12週間以上で有効率81.3%に向上

 さらに、探索的解析として1回接種の有効性および2回接種における接種間隔の影響を検討した結果、1回接種後の有効性は3カ月後も低下しないことが示された。標準用量1回接種後22~90日目の有効率は76.0%(95%CI 59.3~85.9%)で、1回接種後90日目のSARS-CoV-2特異的IgG抗体価は、28日目の最高値と比べて34%低下にとどまった〔幾何平均比(GMR)0.66、95%CI 0.59~0.74〕。

 また、標準用量2回接種後の有効率は、接種間隔が6週間未満と短い場合(有効率55.1%、95%CI 33.0~69.9%)に比べ、12週間以上と長い場合(同81.3%、60.3~91.2%)で高かった。この結果は18~55歳の成人患者の免疫原性データでも裏付けられ、接種間隔が12週間以上の場合のSARS-CoV-2特異的IgG抗体価は6週間未満の場合の2倍超だった(GMR 2.32、95%CI 2.01~2.68)。

 以上を踏まえ、Voysey氏らは「AZD1222ワクチンの有効性と安全性が確認された。このワクチンは1回目と2回目の接種間隔が長いほど有効性が高く、1回接種の有効性は90日間持続した」と結論。その上で「ワクチンの供給量が不十分な状況では、できる限り早く最大限の人数に1回接種を行って、3カ月後に2回目の接種を行うプログラムの方が、短期間でその半数に2回接種を行うプログラムより有利な可能性がある」と付言している。

(太田敦子)