ブラジル・University of Sao PauloのMaria Isabel Lopes氏らは、中等症~重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者75例を対象に、標準治療に上乗せしたコルヒチンの効果を検証する二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を実施。その結果、コルヒチンはプラセボに比べ酸素投与および入院の必要性の2点を有意に抑制したとRMD Open2021年2月4日オンライン版)に発表した。

炎症時に活性化するNLRP3インフラマソームを阻害

 Lopes氏らは、さまざまな知見から「COVID-19入院患者に見られる過剰な炎症の基礎をなすのは、蛋白質複合体NLRP3インフラマソームの異常な活性化である」と考察。NLRP3インフラマソーム阻害作用が示されているコルヒチン投与により、COVID-19患者の転帰が改善するかどうかを検討した。

 対象は、中等症~重症COVID-19と確定診断された入院患者75例。アジスロマイシン、ヒドロキシクロロキン、ヘパリン、メチルプレドニゾロンによる治療に上乗せして、コルヒチンを1~5日目は0.5mg 1日3回投与、6~10日目は0.5mg 1日2回投与するコルヒチン群とプラセボ群に1:1でランダムに割り付けた。

 主要評価項目は、安静時の酸素飽和度が92%以下で酸素投与が必要な期間、入院期間、死亡率などとした。

安価で安全、入院短縮で病床確保にも貢献

 試験を完了したコルヒチン群36例〔年齢中央値54.5歳、四分位範囲(IQR)42.5~64.5歳、男性53%〕とプラセボ群36例(同55.0歳、42.0~67.0歳、39%)の計72例を解析に組み入れた。

 その結果、酸素投与が必要な期間の中央値は、プラセボ群の6.5日(IQR 4.0~9.0日)に比べコルヒチン群では4.0日(同2.0~6.0日)と有意に短かった(P<0.001)。治療7日目に酸素投与が必要だった患者の割合も、それぞれ42%、9%とコルヒチン群で有意に少なかった(P=0.001、log rank test)。

 同様に、入院期間の中央値はプラセボ群の9.0日(IQR 7.0~12.0日)に比べコルヒチン群では7.0日(同5.0~9.0日)と有意に短かった(P=0.003)。治療10日目に入院していた患者の割合も、それぞれ39%、9%とコルヒチン群で有意に少なかった(P=0.002、log rank test)。

 死亡はプラセボ群の男性2例で、死因はいずれも人工呼吸器関連肺炎だった。

 最も発現頻度が高かった有害事象は下痢で、有意ではないもののコルヒチン群で多かった(17% vs. 6%、P=0.26)。

 以上を踏まえ、Lopes氏らは「中等症~重症COVID-19患者において、標準治療へのコルヒチン上乗せは安全性と忍容性が高く、酸素投与が必要な期間および入院期間をプラセボに比べ有意に短縮した」と結論。「入院期間の短縮は費用削減と病床確保につながり、COVID-19パンデミック下の日常診療において重要な意味を持つ。加えて、コルヒチンは医療経済的にも有益である」と付言している。

(太田敦子)