1年前に発令された際は、感染拡大をほぼ押さえ込んだ緊急事態宣言。今年1月の2回目では感染者数の下げ止まりが見られ、感染症の専門家からは「宣言の限界」を指摘する声も上がった。
 最初の緊急事態宣言は昨年4月7日、まず7都府県に出された。厚生労働省によると、同日の全国の1日当たりの新規感染者数は377人。同10日に708人にまで増え、政府は16日に宣言の対象を全都道府県に拡大した。その後は感染者が減り、全県で宣言が解除された同5月25日の新規感染者は20人になった。
 感染が拡大した年末年始の「第3波」に対して、政府は今年1月、11都府県に2度目の宣言を出した。過去最多の7844人まで増えた新規感染者は、2月には1000人を切る日も見られる程度に減少。しかし、その後は下げ止まり、宣言が全面解除された3月21日は1110人だった。
 宣言では飲食店を中心に営業時間短縮などが求められた。厚労省の専門家組織メンバーの岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「このままでは店が全部つぶれてしまう」という危機感を抱いた人が相当数いたと推測。このため移動が増え、下げ止まったと分析した。別のメンバーは「一定の効果はあったが、これが宣言の限界だ」との見方を示した。 (C)時事通信社