米国におけるがんの罹患数および死亡者数は、今後20年でどのように変わるのか。米・Cancer CommonsのLola Rahib氏らは、横断研究により2040年までの米国のがん罹患数および死亡者数を推計。その結果、2040年の部位別がん罹患数では、メラノーマが順位を上げる一方で、前立腺がんはトップ10から外れるなど、現状とはかなり異なることが予測されると、JAMA Netw Open2021; 4: e214708)に発表した。

メラノーマの罹患数が第5位から第2位へ浮上

 がんに関連する長期的な疾病負担への対策では、罹患数および死亡者数の推移を把握した上で、将来的な研究資金の割り当てや医療計画、医療政策を決定することが重要となる。そこでRahib氏らは、2040年までの米国におけるがん罹患数および死亡者数の変化を推計する横断研究を実施した。

 具体的には、米国勢調査による2016~40年の人口統計予測と、がん疫学データベース(SEER)の最新のがん発生率を組み合わせ、2040年までの部位別がん平均年変化率(AAPC)を算出した。死亡者数は、SSERの2016年の死亡者数と2012~16年のAAPCを適用して算出した。

 その結果、2040年に罹患数が最多になると予測されたのは2020年に続き乳がんであった(2020年:27万2,000例→2040年:36万4,000例)。第2位はメラノーマで、2020年の第5位から上昇した(同10万1,000例→21万9,000例)。以下、肺がん(同21万5,000例→20万8,000例)、結腸直腸がん(同14万3,000例→14万7,000例)の順だった。一方、2020年に第3位だった前立腺がんは、第14位(同17万5,000例→6万6,000例)まで順位を下げた(表1)。

表1.遅延補正後の部位別がん罹患数(推計)

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結腸直腸がんは死亡者数が第2位から第4位へ

 次に部位別がん死亡者数を見ると、トップは2020年に引き続き2040年も肺がんであった(表2)。ただし、死亡者数は2020年に比べ半減すると推定された(2020年:13万例→2040年:6万3,000例)。

表2.部位別がん死亡者数(推計)

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(表1、2とも JAMA Netw Open 2021; 4: e214708)

 がん死亡の第2位は膵がん(2020年:4万5,000例→2040年:4万6,000例)、第3位は肝・肝内胆管がん(同3万例→4万1,000例)で、2020年の第2位から第4位に後退すると予測された結腸直腸がん(同4万9,000例→3万4,000例)を上回った。第5位は乳がんで、死亡者数は2020年に比べ4分の3に減少すると推定された(同4万例→3万例)。

 Rahib氏らは、今回の結果について「米国では、2040年までにがんの罹患数と死亡者数の状況が著しく変化することが示唆された」と結論している。

(比企野綾子)