厚生労働省の職員ら6人が新型コロナウイルスに感染し、うち3人が深夜まで及んだ送別会の参加者だったことが8日、明らかになった。同省は国民に大人数での会食自粛を呼び掛けておきながら、自らは徹底していなかった。田村憲久厚労相は同日の参院厚労委員会で「改めておわび申し上げる」と陳謝したが、感染防止の旗振り役の危機感のなさに、野党側からは批判が上がった。
 送別会には老健局老人保健課の23人が参加。感染者6人のうち3人はこの送別会の参加者だった。
 同課は3年に1度の介護報酬改定に携わり、「3年間ほぼメンバーが変わらず団結が強い」(同省関係者)。3月は改定作業が終わったタイミングで、苦楽を共にした職員をねぎらう目的もあったとみられる。
 ただ、送別会が開かれた先月24日は、都内への緊急事態宣言は解除されていたものの、飲食店への営業時間短縮要請は続いており、政府は国民に対し、歓送迎会や花見に伴う宴会を控えるよう呼び掛けていた。今回の送別会は「少しぐらいならいい」といった誤ったメッセージになりかねないだけに、加藤勝信官房長官は8日の記者会見で「感染症対策を進める立場として、あってはならない」と指摘した。
 同日の参院厚労委で立憲民主党の石橋通宏議員は「国民に自粛を要請していたのに、(送別会から感染が)広がったとすればゆゆしき事態だ」と追及。同省幹部は「良くないこと(送別会)をすると良くないこと(感染)が起こる。『天網恢々(かいかい)』だ」と肩を落とした。 (C)時事通信社