新型コロナウイルスの感染が拡大してから1年がたった今も、世界経済の先行きには依然、不透明感が漂っている。7日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁テレビ会議で採択された共同声明は、世界経済が「改善してきている」としつつ、「より大きな下方リスクにさらされている」と指摘。変異ウイルス拡大などに警戒感を示し、外国為替市場での投機的な動きもけん制した。
 国際通貨基金(IMF)は6日、世界経済見通しを発表し、2021年の世界全体の成長率を前回1月予測から0.5ポイント上方修正し、6.0%とした。ただ、ワクチン供給がスムーズにいかず、変異ウイルスの拡大が響けば、4.5%にとどまるとのシナリオも示した。
 さらに、声明は各国・地域の経済回復にばらつきがあるとも指摘した。米国経済の回復が先行する一方、新興国や開発途上国は遅れている。このため、最近は外国為替市場でドル高傾向となっており、新興国や途上国ではドル建ての債務(借金)が重荷となって回復をさらに遅らせる悪循環に陥りかねないとの懸念もある。
 こうした中、G20は市場で投機的な取引が行われ、世界経済に悪影響を及ぼすことを警戒。声明は「為替レートは経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映する」との認識を明確化し、市場の動向に関して各国・地域が「引き続き緊密に協議する」と強調した。 (C)時事通信社