徐々に多様化が進んでいる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株に対し、日本でも接種が始まったSARS-CoV-2ワクチンの有効性はまだ十分に確認されていない。横浜市立大学臨床統計学教授の山中竹春氏らは本日(4月9日)、中和抗体を測定することで変異株に対するSARS-CoV-2ワクチンの有効性を評価する研究に着手したと発表した。中和抗体の測定においては、同大学が開発したシステムを用いた変異株パネルにより、複数の変異株に対する中和抗体を一括して高感度かつ短時間に検査できるという。

72時間~1週間程度要する測定が3時間で可能

 新たに発生したさまざまなSARS-CoV-2変異株に対しては、その中和抗体の保有状況を集団レベル、個人レベルで速やかに調査し、既存ワクチンの有効性を評価する手法が求められる。

 そこで山中氏らは、SARS-CoV-2に対する中和抗体を簡便かつ迅速に測定可能な手法であるhiVNT(HiBiT-tagged Virus-like particle Neutralizing antibody Test)システムを開発。抗体検査用試薬と同システムを用いて、複数の変異株をそろえた変異株パネルで中和抗体を一括測定し、臨床的に有用な情報の提供を目指すとしている。

 測定に要する時間は約3時間と、従来の中和抗体検査で要していた72時間~1週間と比べ格段に短く、感度も良好であるという。

 今回の研究について、同氏らは「集団レベルならびに個⼈レベルでSARS-CoV-2変異株に対する免疫能の獲得状況を明らかにし、ワクチン普及後における社会活動の回復を後押しできるのではないか」と期待を寄せている。

(陶山慎晃)