政府が3都府県に「まん延防止等重点措置」を新たに適用する背景には、新型コロナウイルス変異型への危機感がある。厚生労働省によると、全国の感染者は1カ月で4倍超に増加。特に関西で猛威を振るう英国由来型は、感染力が従来型の1.3倍との解析もあり、全国的なまん延が懸念される。
 厚労省のまとめによると、3月5日時点での変異型の確定感染者は、20都府県194人と検疫57人の計251人だった。それが今月6日時点では38都道府県886人、検疫152人の計1038人に増えた。大阪(205人)、兵庫(197人)の順に多く、2府県で国内事例の半分近くを占める。変異型の状況把握のため一部のコロナ陽性者に行ったスクリーニング検査では、全国の陽性率20%に対し、兵庫は75%、大阪は54%だった。
 国内の変異型には大きく分けて、英国型、南アフリカ型、ブラジル型、由来不明型の四つがある。「英国」「南ア」「ブラジル」はヒトの細胞と結び付く力を強める「N501Y」変異を持っている。一方、ワクチンの効果低減が懸念される「E484K」変異は「南ア」「ブラジル」「由来不明」が持つ。厚労省のまとめに含まれない「由来不明」は関東や東北で増えており、今月6日までに1553人確認された。
 関西の変異型の大半は英国型で、国立感染症研究所は、感染者1人が平均してうつす人数は従来型の1.3倍と分析している。感染者のうち18歳未満の割合が従来型の約2倍で、子どもに広がりやすい恐れもある。感染研は「これまでの対策だけでは十分な制御が困難だ」と懸念を示している。 (C)時事通信社