【ニューヨーク時事】米企業が、新型コロナウイルスの流行収束後を見据え、新たな働き方を模索している。IT大手や金融大手では、段階的に出社を再開する一方、この1年で定着した在宅勤務の併用を認める動きもある。職場で社員同士が顔を合わせて仕事をする重要性を再評価したり、在宅の弊害を指摘したりする声も上がっている。
 IT大手のマイクロソフトは3月末、米ワシントン州の本社を再開し、2割の従業員の出社を認めた。ワクチン普及状況などをにらみながら、出社と在宅を選べる「併用型」を採用。デルベネ副社長は、ネットを通じ社員同士が連携できる環境を整え、積極的に新たな働き方を検討する考えを表明した。
 ただ、「顧客の近くで、より多くの接点を持つことで、付加価値を生み出せる」と対面の重要性も強調。将来的には、在宅勤務の割合は半分以下になっていくという。
 アマゾン・ドット・コムは、社員へのメモで「オフィス中心の文化に戻す。発明し、協力するにはそれが最も効果的だ」と説明。初秋までには、大半の社員が出社する計画を示した。一方でツイッターは、今後も在宅勤務を容認する姿勢を示している。
 金融最大手JPモルガン・チェースは、多くの社員が出社して働く形に戻していき、在宅勤務の継続は一部にとどめる方針。ダイモン最高経営責任者(CEO)は「専門職は徒弟制度で仕事を学ぶ。ネット経由で再現するのは不可能だ」と、社員の教育がしにくくなる弊害を指摘。経営の意思決定が遅くなるとの考えも示した。
 「新型コロナで、働き方はさまざまな形に変化した。米企業では(選択肢として)在宅勤務が定着していく」(ダイモン氏)とみられているが、それぞれの企業に適したやり方が定まるまでには、試行錯誤が続きそうだ。 (C)時事通信社