新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種が12日から一部地域で始まる。初回の供給量が限られる中、感染拡大「第4波」への不安を抱えつつ、実施主体の市区町村はそれぞれ手探りで作業を進める。
 千葉市は8日に約2000回分のワクチンを受け取り、12日から高齢者施設の入所者らに接種を始める。接種券の送付は4月下旬以降で、混乱を避けるため「80歳以上」「75歳以上」と5歳刻みで時期をずらして送る予定。国は6月中に高齢者分のワクチンを確保できる方針を示したが、担当者は「一般の接種はどうなるか分からず、計画を立てる上で困る」と先を案じる。
 東京都内では世田谷区と八王子市が12日から接種を開始。世田谷区は高齢者施設の入所者らから着手する。区内の高齢者約18万5000人に対し4月の供給量は約3000回分で、保坂展人区長は「テスト接種」と位置付ける。保坂氏は「第4波の到来前に施設への接種が相当数終わっている、あるいは高齢者の半分が完了している状況が望ましかった」と不満をにじませる。
 接種券をめぐる混乱も。4月のワクチン供給量が約2000回分の仙台市は、高齢者施設の入所者に優先的に接種すると決めた一方、約27万人の高齢者に3月31日、接種券を一斉に発送。接種日時や場所が未定のまま送られたため、コールセンターに問い合わせが殺到した。3月16~31日は387件だった電話は、接種券が届き出した4月1~7日に1万3000件を超えた。
 市担当者は理由について「施設入所者のみに接種券を送ることも検討したが、リスト作りを施設にお願いすると時間がかかる。接種券がないと始められないので、一斉で送った」と説明。郡和子市長は陳謝し「(供給量など)明らかになったらお知らせしたい。それまで接種券は大切に保存してほしい」と求めた。東京都八王子市でも5日、電話などで接種予約を受け付けたところ申し込みが殺到し、上限に達して1時間半で打ち切った。
 このほか接種のPRも自治体の役割の一つだ。北九州市は北橋健治市長(68)が12日に自ら接種を受けると発表。JR小倉駅近くの集団接種会場に出向く予定で、北橋氏は「自分の体調変化も含めて公表し、市民が安心して受けられるようにする」と話す。 (C)時事通信社