東京五輪開幕まで14日で100日となった。新型コロナウイルスの感染拡大で中止や延期を求める声もある中、招致活動を主導した元東京都知事の猪瀬直樹氏は時事通信のインタビューに応じ、コロナ禍でも「テレビ中継を通じて興奮を共有できる」と強調。異例の状況下に置かれていても「五輪は生きる活力につながる祝祭空間になるはずだ」と訴えた。
 猪瀬氏は2013年の招致活動について「リーマン・ショックと東日本大震災が続いた後で、日本全体に閉塞(へいそく)感が漂っていた」と振り返り「開催を勝ち取らねばと必死だった」。競泳の池江璃花子選手が白血病を乗り越え五輪代表入りし、人々に感動を与えたことを引き合いに「五輪の持つ力はすごい」と開催の意義を強調した。
 また、今夏の東京大会を中止して来年2月に北京冬季五輪が開かれた場合、「日本はなぜできなかったのか」と内外から批判される可能性があるとも指摘。感染対策などで日本の運営能力を最大限発揮すべきだとした。
 現在のコロナの感染状況に関して「本来なら、ある程度ワクチンが国内に行き渡っていたはずだ」として、菅政権の接種の遅れを批判。「政府は闘ってでももっと確保しないと。首相が先頭に立つべきだ」と強調した。
 五輪・パラリンピックで外国人客の受け入れ断念を決めたことには、インバウンド需要や交流機会の喪失を問題視。「ワクチンを接種した人は来日OKとすべきだ」と述べた。
 女性蔑視発言で森喜朗氏が会長を辞任した大会組織委員会については「ガバナンス(統治)がゼロどころかマイナスだった」。招致段階で7300億円とされた開催費用は延期による追加分も含め1兆6440億円に膨張したが、「コスト意識があれば、資材高騰の影響やソフト費用を含めても1兆円強に抑えられた」とした。 (C)時事通信社