【ワシントン時事】バイデン米政権は15日、昨年の米大統領選介入やサイバー攻撃への報復として、外交官追放など広範囲な対ロシア制裁に踏み切った。バイデン大統領は、米国の利益侵害には厳しく対処する姿勢を鮮明にした。一方で、対面の米ロ首脳会談を早期に開催したい意向も表明。核軍縮などでロシアの協力が必要だとみており、是々非々で臨みたい考えだ。
 「ロシアがわれわれの民主主義への介入を続ければ、さらなる措置を取る用意がある」。バイデン氏は15日、対ロ制裁発動を受けてホワイトハウスで演説し、ロシアを強くけん制した。
 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、「レッドライン(譲れない一線)を示すバイデン氏の最初の取り組みだ」と指摘する。ロシアに融和的姿勢を示し、選挙介入の責任追及にもあいまいな態度を取り続けたトランプ前大統領と一線を画す狙いがある。
 一方、バイデン氏は「米国は、ロシアとの間で緊張拡大や争いの連鎖を引き起こすことを目指してはいない」と強調。核軍縮、北朝鮮やイランの核問題、新型コロナウイルスなどへの対応で、ロシアとの「安定的で予測可能な関係」が必要だという認識が背景にある。
 バイデン氏は13日にロシアのプーチン大統領と電話会談し、今夏に欧州で対面会談を行うことを提案。演説では、「米ロ首脳間の個人的かつ直接的な意思疎通が不可欠だ」と訴えた。制裁発動について「さらに踏み込むことができたが、そうしないことを選んだ」と説明。ロシア側の反応をうかがう狙いがある。
 ただ、プーチン氏がバイデン氏の申し出に応じるかどうかは不透明だ。ロシア外務省のザハロワ情報局長は、対ロ制裁に対する報復は「避けられない」と警告。米ロの報復合戦につながる恐れもある。 (C)時事通信社