2020年に胃や大腸などのがん検診を受けた人が前年より約3割減ったことが17日、日本対がん協会(東京都中央区)への取材で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う検診の中止や、市民の受診控えが原因とみられる。調査した同協会は最大2100人程度が、がんを発見されなかった恐れがあるとして、早期受診を呼び掛けている。
 協会は今年2~3月、市区町村のがん検診を受託する全国42支部に20年の受診者数などを尋ね、32支部から回答を得た。その結果、胃、肺、大腸、乳、子宮頸(けい)のがん検診を受けた人は延べ394万1491人で、19年の同567万796人より約30.5%減っていた。18年と比べると約32.2%の減少になった。
 特に、最初の緊急事態宣言が発令された昨年4月の受診者は、19年同月比で約85%減った。5月は同93%減で、宣言解除後に受診者数は増え始め、10月には18、19年の水準に戻った。
 減少幅やそれぞれのがんの発見率から推計すると、20年はがん未発見の人が1000~2100人程度いる恐れがあることが分かった。これらのがんは検診以外に、別の疾患を治療中に偶然見つかることも多く、新型コロナ拡大による通院控えがあったとすると、人数はさらに増えるという。
 日本対がん協会の担当者は「がんは短期間に一気に進行する恐れがある。20年に受診しなかった人は、今年は必ず受けてほしい」と話している。 (C)時事通信社