半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)が、約1カ月ぶりに稼働を再開した。5月中に火災前の水準まで生産を戻す見込みだが、自動車大手各社にとって、車載半導体の世界的供給不足に追い打ちを掛ける今回の火災の影響は深刻。新型コロナウイルス禍から立ち直りかけていた中、自動車業界はさらなる減産を強いられそうだ。
 自動車各社は年明け以降、世界的な半導体不足で乗用車を中心に生産調整を余儀なくされてきた。さらに、ここに来てUDトラックス(埼玉県上尾市)も減産に踏み切るなど、これまで半導体不足の影響が軽微とされてきた商用車分野にも影を落とし始めた。
 ただ、年明け以降のいずれの減産もルネサス火災によるものではないとされ、火災の影響による部品の在庫不足が顕在化するのはこれからとみられる。自動車大手からは「ルネサス火災による減産は5月から」との見方があり、トヨタ自動車も「影響を精査中」と慎重な姿勢を見せる。
 ルネサスの影響を含めた一連の半導体不足の長期化を受け、「8月ぐらいまで自動車生産がおぼつかなくなるメーカーもある」(大手証券アナリスト)との指摘がある。ルネサスの柴田英利社長も19日の記者会見で「今年いっぱいは高稼働で(半導体製造)設備を動かしても、作るそばから消費されていく」と語るなど、自動車メーカーにとっては部品の需給逼迫(ひっぱく)が当分続きそうだ。 (C)時事通信社