窓ガラスやガラス瓶に比べ、二酸化ケイ素(シリカ)の純度が極めて高い石英ガラスを材料として、プラスチックのように「射出成形」で部品を精密に大量生産する技術が開発された。ドイツのフライブルク大と同国のベンチャー企業「グラソマー」の研究チームが、19日までに米科学誌サイエンスに発表した。
 光の透過性に優れ、化学薬品や高温に強い石英ガラスの性質を生かし、高性能なレンズのほか、微細な流路で化学合成や遺伝子検査を行う「マイクロ流体デバイス」などの生産に利用が期待されるという。
 射出成形はプラスチックを熱して溶かし、金型に注入後、冷やして部品の形に固める製造法。石英ガラスは約1700度の高温でないと溶けないため、射出成形は困難だった。そこで二酸化ケイ素の粉末を粒状のペレットに加工してから低温で溶かし、射出成形後に焼き固める方法を開発した。
 まず二酸化ケイ素の微粒子を樹脂の「ポリビニルブチラール(PVB)」や高分子化合物「ポリエチレングリコール(PEG)」と共に溶媒に溶かし、乳白色の液体にした上で、乾燥させて白いペレットに加工した。
 これを約130度に加熱して液状にし、プラスチック用の射出成形装置を使って部品を作製。40度の水に浸してPEGを取り除き、PVBを加熱除去後、さらに真空中で1300度に加熱して焼き固め、透明な石英ガラス部品を完成させた。 (C)時事通信社