25日投開票の衆参3補欠選挙・再選挙で、3道県の選挙管理委員会は新型コロナウイルス患者が入所する宿泊療養施設に期日前投票所を設置するなど、投票機会の確保を図る。ただ、自宅での療養者に対応するのは依然として難しく、秋までに行われる衆院解散・総選挙を見据え、郵便投票の対象拡大に向けた公職選挙法改正の動きも水面下で出ている。
 広島県では21日から、参院広島選挙区の再選挙のため、県内4カ所全ての宿泊療養施設内に順次、期日前投票所が設置される。県選管によると、風評被害対策で当該施設は非公表にしており、公選法で定める投票所の場所の告示についても、「特例」で詳細な施設名は見合わせた。
 これに先立ち、総務省は宿泊療養施設などに期日前投票所や不在者投票記載場所の設置を検討するよう各選管に通知。その上で、具体的な施設名まで告示する必要はないことや、「(選挙期日に近い)特定の日時に限定することも可能」などとする留意事項もまとめた。
 これを踏まえ、札幌市選管も衆院北海道2区補選で宿泊療養施設内に不在者投票記載場所を設ける。参院長野選挙区補選がある長野県では、施設に近い公共施設などの駐車場にテントを設営して期日前投票所と不在者投票記載場所を設置し、投票を希望する療養者を専用車両で運ぶ方針だ。
 ただ、宿泊療養施設での対応を進めても、自宅での療養者が投票するのは事実上困難だ。このため、北海道選管と札幌市選管はコロナ患者について、重度の身体障害者らに限り認められている郵便投票の対象に加えるよう、総務省などに制度改正を要望した。
 これに対し、政府は、かつて不正が横行した経緯もある郵便投票の対象拡大に慎重な姿勢を示すが、与野党からは「選挙権行使の機会を確保すべきだ」との声も出ており、野党側は議員立法の提出に向け、関係機関と調整している。 (C)時事通信社