健康保険組合連合会(健保連)は22日、大企業の社員らが加入する健保組合の2021年度予算の集計結果を発表した。経常収支は5098億円の赤字で、全体の約8割に当たる1080組合が赤字となった。収支差を全て保険料引き上げで賄う場合の「実質保険料率」の平均は、前年度比0.35ポイント増の10.06%で、初めて10%を超えた。
 集計は、回答のあった1330組合のデータを基に全1387組合の推計値を算出した。
 高齢者医療費への拠出金増に加え、新型コロナウイルスの流行で企業業績が悪化して賃金が減った影響で、加入者と企業から支払われる保険料収入も同2.6%減の8兆60億円となった。
 実質保険料率が10%を超える組合は297。中小企業社員らが加入する「協会けんぽ」の平均料率は10%で、これを超えると自前で運営する必要性が薄れ「解散予備軍」となる。
 実際の収支差は料率引き上げでなく積立金の取り崩しで埋められるため、保険料率は9.23%に抑えられ、加入者1人当たりの平均支払額は年間24万5791円となる。
 高齢者医療への拠出は前年度比3.6%増の3兆6627億円。うち75歳以上の後期高齢者向けが5割を超える。22年度には「団塊の世代」が後期高齢者に入り始め、拠出金の急増が予測される。健保連の佐野雅宏副会長は記者会見で「現役世代の負担減のため、高齢者の保険料や窓口負担の引き上げなど制度を見直すべきだ」と国に訴えた。 (C)時事通信社