新型コロナウイルスの封じ込めに成功している台湾で、デジタル政策担当として手腕を発揮した唐鳳(オードリー・タン)行政院政務委員(閣僚)が23日、学識経験者でつくる「日本アカデメイア」(東京)主催のオンライン交流会で講演し、感染症対策は平時からの訓練が重要と指摘した。日本で不具合が続いた感染者との接触通知アプリについて、感染症への新しい対策を導入する場合「平和時にやらなければならない」と訴えた。
 「若き天才閣僚」と称される唐氏は、コロナ禍初期の台湾で全土のマスク流通状況がリアルタイムで分かる地図アプリを整備したことで知られる。唐氏は講演で、コロナ対策では速度が求められるため「既に人々が慣れ親しんでいるもの」の活用を重視し、全く新しいものは作らなかったと説明した。
 厚生労働省が導入したアプリ「COCOA(ココア)」の利用に関しても「パンデミック(世界的大流行)がない時に全員が慣れるように練習すべきだ」と話した。
 また、台湾では、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)時の反省から導入した健康保険証のICカード化が今回のコロナ禍で効果を示したと分析。「日本も(コロナ収束後に)何が間違っていたのかを見直し、年に1度は訓練すべきだ」と語った。
 一方、個人情報管理のデジタル化を含めコロナ対策に市民の信頼が不可欠だったことに関し「市民の質問に答え続けることが重要だ」と強調した。 (C)時事通信社