新型コロナウイルスの感染拡大で、4都府県に発令される緊急事態宣言。「短期集中」の措置で感染者増加に歯止めがかかるのか。大型連休を控えた23日、飲食店や観光関係者の間で期待と不安が交錯した。
 東京・銀座では、経営コンサルタントの小玉昭彦さん(78)が17日間の宣言に関し「短すぎる。『危機的状況』というメッセージが伝わらない」と訴えた。一方、音楽関連会社に勤める男性(51)は「一番人が増えそうな時期に対策をするのは妥当」と捉え、仕事への影響も抑えられるとして「短期的なのはありがたい」と話した。
 大型商業施設の休業を見越し、駆け込みで百貨店を訪れたパートの女性(60)は「連休中、公園でピクニックくらいはしたいけど、駄目かな」とさみしそうに語った。
 東京・新宿では、医療従事者の鈴木花さん(26)が「みんなの意識が変わらないと意味がない」と効果を疑問視した。
 多くの乗客らが行き交うJR大阪駅(大阪市)。近くの居酒屋は店内にアクリル板を設置し、時短営業にも応じてきた。男性従業員(52)は「休業しても路上で飲み会をしている人がいる。行政はしっかり取り締まってほしい」といらだちを募らせた。大学時代の友人と久しぶりに飲んだという大阪府高槻市の20代男性会社員は「ソフトドリンクでも盛り上がれば大声で話す。酒を提供する店だけ休業にしても効果あるのか」と首をひねり、「これから(時短要請に応じていない)店を探します」と笑顔で話した。
 例年、連休中に多くの観光客が訪れる京都市。観光人力車「えびす屋」では、担当者が「天気もよく期待していたが、宣言で(客は)来ない。補償の話もまだない」と嘆いた。観光客減少を見越し、運行台数も通常の40台から約10台へ減らしているという。
 レストランの一時休業も検討するウェスティン都ホテル京都ではキャンセルの連絡が相次ぐ。担当者は「予約はまだ減る可能性がある。重く受け止めている」と沈んだ声を出した。
 感染拡大を押さえ込めなければ、東京五輪・パラリンピックへの影響は避けられない。聖火ランナーを務める東京都日野市の土方愛さん(49)は「大会まではまだ時間がある」と宣言の効果を強く期待。一方、会場でボランティアをする都内の女性(39)は「スポーツを優先するタイミングではないのかな」と不安を口にした。 (C)時事通信社