【ニューデリー時事】新型コロナウイルスの新規感染者数が1日当たり34万人超と世界最多を記録したインドで、ロックダウン(都市封鎖)をめぐって中央政府と地方政府が対立している。感染拡大防止や医療崩壊阻止に向けた連携への影響が懸念されている。
 連日2万人以上が新たに感染し「医療崩壊の危機」(ケジリワル・デリー首都圏政府首相)にある首都ニューデリーや、新規感染者が全国最多を記録し続けている西部マハラシュトラ州では、病床や医療用酸素が底を突きかけ、窮余の策として封鎖に踏み切っている。
 これに対しモディ首相は20日の国民向けテレビ演説で、「ロックダウンは最後の手段としてのみ」許されると強調。中央政府が昨年実施した全土封鎖で貧困層らが経済的大打撃を受けたことを念頭に、国民を「ロックダウンから救う」と訴え、ケジリワル氏ら地方政府の対応を暗に批判した。
 モディ氏の発言には政治的思惑もにじむ。首都圏とマハラシュトラ州では国政与党・インド人民党(BJP)が実権を握っていない。特にニューデリーではBJPが2015年と20年の地方議会選で連敗しており、宿敵ケジリワル氏への「意趣返し」という見方が出ている。
 ワクチンをめぐっても、中央と地方の対立が顕在化している。感染再拡大で接種を求める人が急増し、地方のワクチン不足を訴える医療関係者の声が連日報じられる中、バルダン保健・家族福祉相は「ワクチン不足には根拠がない」と主張。政敵が問題を政治化しているとして、いら立ちをあらわにしている。 (C)時事通信社