兵庫県尼崎市で乗客106人が死亡、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故は25日、発生から16年を迎えた。列車が衝突したマンションの跡地に整備された慰霊施設「祈りの杜(もり)」(同市久々知)に祭壇や献花台が設けられ、遺族や負傷者らが追悼に訪れた。
 JR西日本が主催する追悼慰霊式は新型コロナウイルスの感染拡大により、兵庫県にも緊急事態宣言が出される中、昨年に続いて中止された。
 この日は午後5時時点で遺族や負傷者計75組が施設を訪れたほか、同社幹部が献花。長谷川一明社長は「どれだけ時間が経過し、役員社員の世代交代が進んでも、事故を起こした当事者として、決して風化させることなく、安全の取り組みの原点としていく決意であります」と誓った。
 平野賀久副社長は遺族から預かった慰霊の言葉を代読。「天国で二度とこのような事故を起こさないでほしいと願っているに違いないと思う。(社員は)マンネリ化しないよう、常に安全安心を意識して行動願いたいものです」と述べた。
 JR西は今回初めて、遺族や負傷者が自宅で施設の中継映像を見られるようにオンライン環境を整備。発生時刻に合わせて中継が行われ、85組に送信された。 (C)時事通信社