【ロンドン時事】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は26日、2020年の世界の軍事費について、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で世界経済が後退したにもかかわらず増大を続け、実質で前年比2.6%増の1兆9810億ドル(約214兆円)となったと発表した。分析報告書を公表し「パンデミックは各国の軍事支出に重大な影響を及ぼさなかった」(研究員)と指摘した。
 支出額が最大なのは米国で、前年比4.4%増の7780億ドル(約84兆円)。オバマ政権時代は軍事費削減が続いた米国だが、トランプ政権となった17年以降は3年連続で増大した。
 次に多いのは中国で推定2520億ドル(約27兆円)と過去10年間で8割近く増えている。これは上位15カ国で最大の伸び幅という。20年の総額に対する割合を見ると、米国39%、中国13%。米中だけで全体の半分以上を占めた。
 米国の支出増についてSIPRI研究員は「中国やロシアといった戦略的競争相手による脅威への懸念の高まり」が背景にあると指摘。別の研究員は中国に関し「他の軍事大国に追い付く目的で、長期の軍備近代化と拡張計画に沿って支出を増やしている」と分析した。
 米中にインド、ロシア、英国、サウジアラビアが続く。日本は491億ドル(約5兆3000億円)で昨年と同様9位。韓国が457億ドル(約4兆9000億円)で10位だった。 (C)時事通信社